「足は第二の心臓」のウソ

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「足は第二の心臓と言われるように......」
この「足は第二の心臓」説のまやかしに気づいている人がどれだけいるでしょうか。
誰がいつごろ言い出したのやら、意図的に喧伝されたとしか思えないフレーズです。

この大げさな表現、どうやら、静脈の循環に足の筋肉が寄与している事実を指していると見られます。
心臓のポンプの力で全身に送られた血液は、静脈を通って再び心臓へ戻ります。これを「環流」といいます。
足の筋肉が運動によって膨らむと、静脈が圧迫され、中の血液は心臓の方向へ流れます。
静脈には弁があって、心臓の方向にしか流れない仕組みになっているからです。
「足は第二の心臓」という大仰なフレーズの根拠は、ただこれだけのことなのです。

人間はたとえ事故や病気で足を切断したり麻痺したとしても、健康に生きていけます。
それは、パラリンピックでの車椅子選手の例を引くまでもないでしょう。
このことは、足の筋肉には「第二の心臓」と呼ぶほど、血液を心臓へ戻す力がないことの証拠です。
足は足以上のものでも足以下のものでも、ましてや決して心臓などではないのです。

「足が第二の心臓」でなければ、静脈の血液を心臓へ環流する力は何でしょうか。
それは胸郭であり呼吸です。
息を大きく吸うと胸郭がふくらみます。
でも、順序はその逆で、胸郭を大きくふくらますことで胸郭の中が陰圧になり、その結果肺がふくらみ空気が吸い込まれるのです。
呼吸は横隔膜や肋間筋などの収縮によって、胸郭が大きくなったり元に戻ったりすることで行われます。

実はこのとき、空気が肺に吸い込まれるだけではなく、手や足、体全体の静脈が心臓のほうへ吸い寄せられているのです。
胸郭をふくらましたり戻したりすることはポンプの役割を果たしています。
それによって呼吸ができ、静脈も心臓のほうへ吸い寄せられます。
「心臓」が血液を送りだすポンプだとすれば、「呼吸」は血液を戻すポンプと言ってもよいでしょう。

もしどうしても「第二の心臓」という言葉を使うのであれば、それは「足」ではなく「胸郭(呼吸)」なのです。

参考文献: 心臓への貢献


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このページは、葛野隆紹が2010年7月 6日 23:47に書いたブログ記事です。

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